
夢の中にいるような現実が続いている。現実を夢のように感じ、夢をリアルに感じてしまう時もあったりする。クリストファー・ウォーケンやデニス・ホッパーの出演してる映画を観た後、何となくデヴィッド・リンチの変態映画も鑑賞。眠気がさして来た時に劇中からロイ・オービソンの狂甘美な曲が浮遊するように流れはじめ、部屋中を静かに満した。
現実と非現実の境目が溶け出し、夢の中にいるような感覚。『IN DREAMS』というアルバムタイトルにしたのはその空気感と今の時代の空気感が奇妙にリンクしたのがきっかけだった。
いつも、自分のやりたい方向と世の中の音楽の方向が逆行しているようで気分爽快だ。なぜゆえに時代の潮流に乗りたがるのか不思議でならない。
どうして音楽をやっているんですか?的なことを聞かれることがある。
それは自分は音楽しかできなかったからです。厳格な父、文武両道な兄、子供の頃から音楽は心のよりどころだった。
音楽や文化芸術は心のワクチンだ。
愛を込めてつくった。
猪野秀史